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[企画と集団のはざまで~ホールを原っぱにしてあそぼう~]

  • kikakuon
  • 5月15日
  • 読了時間: 6分

更新日:6月4日

 様々な形の集団が起こす混沌さと凶暴さが毎日流れてくる。熱い仲間たちが引き起こす混乱であったり、冷たい組織が引き起こす凶悪さであったり……。こんな時だからこそ、地域という片隅にいても、「企画」(仮説)を立て、「集団」が生み出すまっとうなエネルギーと喜びを多くの人と共有していく、「企画」という見えないシステムと見えない「集団」のはざまで、ホールを楽しむのもささやかな市民のあり方と思う。


大塲真護


出版名

企画と集団のはざまで    

~ホールを原っぱにしてあそぼう~   

著者(会員)

大塲真護

発行元

幻冬舎メディアコンサルティング

発売元

株式会社 幻冬舎 (東京都 渋谷区)

販売日

2025年 5月15日    

定価

本体1700円+税 280P,各書籍 紹介文 90字


お求めは書店、Amazonにて その他お問合わせはフォームにて



 まえがき 


 学校を退職後、いくつかの企てを地域で実践する。お宮をはじめ公共施設でさまざまな人と思いつくままアイデアを形にしてあそぶことになった。自分には奏でたり、筆を持ったり、踊るといった能力が欠けている。一方で、場をあそぶのに必要なアイデアをチームを組んで形づくることは苦手ではない。

結果、地域の多くの方が参加して楽しむいくつかの企てに立ち会った。

 県や市には後援申請書を、財団には助成申請書を提出する。そこには「企画費・制作費」という項目がない。

 場所でひらめいたことをアイデアという形にして、スタッフや観客を集め、公演の準備をする。公演が終われば、様々な片付けが待っている。間髪をおかず来年のために助成申請書を書き始める……。この中で公演以外の作業は「企画や制作」という名にあたるが、その名前が申請書にはない。

 ソフトへの対価は考慮されず、今日に至るまで企画や制作をしてきた労力の時間は宙に浮いたままになっている。

 

 「地域創生」が言われ出して長いが、そのためには「アイデア」がいる。アイデアを形にするために集団を作り実施していくまでの「企画力」への配慮が地域に求められている。

 

(以下、略)



 目次 


まえがき


第1部 理論編・企画を解明する


第一章 樹に学ぶ

第一節 動機(種/根) 第二節 アイデア(芽) 第三節 目的(幹) 第四節 方法(幹)

第五節 目標(枝) 第六節 手段(枝葉)第七節 実践(実)第八節 動機(種)


第二章 方法を解剖する

第一節 地域  第二節 市民 第三節 チーム 第四節 拠点 第五節 期間

第六節 企て 第七節 継続 第八節 循環システム 

附録① お金 附録② 助成金 附録③ 制作

 

第三章 補遺

第一節 原っぱ 第二節 教育と文化 第三節 ある、いる、する、そして なる

第四節 疑い 憤り 拾う 第五節 限界と責任 第六節 協働

 

第2部 実践編・企画と集団のはざまで


第一章 学校にて

第一節 授業 第二節 演劇部 第三節 担任 第四節 教育相談 

第五節 総合的な学習の時間

 

第二章 地域にて

第一節 東照宮玉井宮 第二節 岡山県天神山文化プラザ 第三節 岡山城と後楽園

第四節 ルネスホール 第五節 西川アイプラザ 附録① 台湾・新竹市立演藝廰

附録② 子どものあそび 附録③ 地域の現状 附録④ 記録写真

 

第3部 ゆるやかな共同体をめざして

NPO法人企画on岡山

 

❒本書で触れた書物

 

あとがき



 編集ご提案書 


・全体の感想 

教職を経て「NPO法人企画on岡山」を設立するなど、「文化芸術」分野での「企て」を多数実践してこられた経験をもとに、「企画・企て」についての本質的な考え方や方法論がまとめられた一冊です。

 本編では、「企画」を成り立たせる基本要素を分解しながら、論理が展開されていきます。同時に実行されてきた企画の具体例が挙げられ、前文の論理を当てはまることでより応用的な理解が可能になる仕組みです。また、第二部では、著者さまの半生や日本の〝教育〝についてのお考えも記されているため、この本で論じられる思考体系が出来上がるまでの背景をも併せて知ることができました。

 これらの個々の事柄を統一して理解したとき、一冊を通して、著者様独自の「理論」が構築されている作品だと感じました。表面的なテクニックやノウハウではなく、「企画」という営み自体の〝原理〝や〝性質〝をしっかりと捉えることができる、いわゆる〝意識基盤〝となるような役割を果たしているのです。僭越ではございますが、単に経験や知識から学ぶだけでなく、ご自身の経験を〝問い〝続けることで、熟考を重ねた末に導き出された賜物であるとひしひしと感じられました。本書で説かれている「企画・企て」についての理論は、それほどの奥深さと筋道が通った説得力があります。

 ひとことで申し上げると、この作品は「なにかを始めるための『自覚を生む』、もの」だといえるでしょう。日々「企画」や「運営」の実践に直面する社会人にとって、非常に実用的な書籍となるのではないでしょうか。

 

・作品の一番の魅力

 「企画」を成り立たせている動機・発想・目的・方法・手段・実施・・・といった基本要素を一つひとつ丁寧に取り出し、論理的に考察する点こそ本作品の最大の魅力だと考えます。行動や思考の元となる〝直接目に見えないもの〝を、細かく分解⇒観察・分析⇒抽象化・言語化⇒整理する、一連のプロセスによって「企画・企て」の複雑な現実が単純化されています。

 作品ならでの特色は、それら一種の生態系ととらえ「植物」に例えながら解説している点。各要素の因果関係やライフサイクルが驚くほど理解しやすくなっています。植物の生長と同様に、企画・企ての進行についても、ある段階を飛ばしたり順番を間違えていたりしては、成立しない可能性が高くなると大変勉強になりました。「樹」と「企画」の要素をぴったりと当てはめた、見事な組み立て方に感服いたしました。

 ベースがご自身の経験に基づいていることは確かですが、それを読者に伝えるうえで、さまざまな書籍や資料を引用している点も作品のクオリティにつながります。第三者の意見やエビデンスを用いることで、客観性が確実に担保されており、独善的な主観ではない、あくまで中立的な立場からのアプローチと納得できます。これにより、本作品に説かれている理論が納得感の高いメッセージとして読み手に届くのではないかと推察いたします。

 

・メッセージ性の強さ

 本作品で伝えられるメッセージには「あそぶ」の意識が通底していると感じます。この「あそぶ」とは、感性に正直になり、ゆったりと集中しながら創意工夫をしていく・・つまり人間が本来持っている感覚をもとに、〝企てる〝ということであると読み取りました。

 私たちは成長に伴って、子どもの頃にあった純粋な感覚がだんだんと失われていきます。社会人としてさまざまな制約・ルールに縛られる一方で、好奇心や新たな発見への感動が薄れていき、余裕やゆとりのない状態に陥ってしまうのかもしれません。しかしその渦中にあって、〝あそび〝の感覚の重要性を改めて気付かせてくれるのがこの作品です。単に身勝手で無計画な〝あそび〝ではなく、「企画」のシステムを理解し頼ることで、〝大人としてのあそび〝が企てられるようになると感じました。本書で説かれている理論は、のびのびとした自由を満喫するための知恵となり、読み手一人ひとりが多種多様な「樹」を育むための大きなきっかけとなるでしょう。

 以上の点を考慮して、本作品の魅力を最大限に高め、ひとりでも多くの読者に読んでもらうために、「①構成」「➁内容」「③文章表現」の3つの視点から、編集の提案をさせていただきたく、以下のページをご参照戴きながら、原稿の改稿をお願いいたします。

以下、次Pからは略

                         

幻冬舎ルネッサンス新社 編集部




 
 

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